仮想通貨で得た利益には、税金がかかることをご存じでしょうか?
ビットコインやイーサリアム、アルトコインなどの売買をして利益が出た場合、その額に応じて確定申告をする必要があります。
とはいえ、仮想通貨取引は件数が多くなりがちで、「どこからどこまでが課税対象なの?」「損益の計算ってどうやるの?」といった疑問を持つ人も多いはずです。
さらに、市販の税金計算ツールは有料だったり、機能に制限があったりして、コストを抑えたい方には不向きな面もあります。
そんなときにおすすめなのが、Excel(エクセル)を使った自力計算です。
Excelなら、自分で自由に項目を管理できて、計算式もカスタマイズ可能。税理士に依頼せず、自分で税金額を算出したい人にとっては、非常に心強いツールとなります。
この記事では、仮想通貨の税金計算をExcelで行う方法を初心者にもわかりやすく解説します。
テンプレートの配布や、具体的な入力項目・計算式の作り方までしっかりカバー。確定申告の準備を自分の力で進めたい方にとって、実用的な内容になっています。
👉この記事でわかること
- 仮想通貨の税金計算はどの取引が対象になるのか?
- Excelで損益を計算するために必要な準備とデータの集め方
- 自作テンプレートの作り方と関数の具体例(SUMIF・IFなど)
- 確定申告で使える形式へのまとめ方と注意点
- Excel管理が不安な方向けのおすすめツールや税理士サービスの選び方
仮想通貨の税金はどうやって計算するの?(基本解説)
課税対象になる取引とは?
仮想通貨に関する税金の対象は、「利益が出たとき」に発生します。ただし「売却益だけが課税対象」と思っている方も多いですが、実際にはそれだけではありません。具体的には以下のような取引が課税対象となります。
- 仮想通貨の売却(日本円など法定通貨との交換)
- 仮想通貨同士の交換(例:BTC→ETH)
- 仮想通貨を使って商品やサービスを購入したとき
- 仮想通貨を報酬として受け取ったとき(マイニング、エアドロップ、ステーキング報酬など)
上記のいずれかに該当し、「取得時の価格(取得価額)」よりも「売却時の価格(売却価額)」が高ければ、差額が課税対象になります。これらを正確に記録・管理し、損益を計算する必要があるのです。
所得区分と計算式の基本
仮想通貨の利益は、所得税法上「雑所得」に分類されます(個人の場合)。そのため、給与所得などと合算されて総合課税の対象となり、所得金額に応じて5%〜45%の税率が適用されます。さらに、住民税(原則一律10%)も加算されるため、最大で55%程度の税負担となる可能性もあります。
損益の基本的な計算式は以下の通りです。
コピーする編集する課税対象額(雑所得)=売却価格 - 取得価格 - 必要経費
この「売却価格」や「取得価格」を正確に記録しておくために、Excelを使った取引記録の管理が役立ちます。特に年間で数十回〜数百回以上の売買を行っている場合、エクセルによる整理と自動計算が非常に有効です。
Excelで税金計算するメリットと注意点
無料&柔軟なカスタマイズが可能
Excelを使って仮想通貨の税金計算を行う最大の魅力は、無料で使えて自由度が高いという点です。市販の計算ツールやアプリには月額料金や取引件数の制限がありますが、Excelであれば、取引履歴を自分のペースで整理し、必要に応じて関数やマクロを加えて拡張することができます。
たとえば、仮想通貨の取引履歴を取引所からCSVでダウンロードし、Excelに貼り付ければ、SUMIF関数で通貨ごとの損益集計をしたり、IF関数で課税対象のみを抽出することも可能です。また、年をまたいだ損益の管理や、複数の取引所をまたぐ統合処理も、シートを増やすことで柔軟に対応できます。
こうした柔軟性により、自分の状況に合った損益計算表を構築できる点が、Excelならではの強みです。
エラーや申告ミスには要注意
一方で、Excelを使った計算には注意点もあります。それは、手作業による入力ミスや計算式の不備が発生しやすいということです。セルの指定ミスや、関数の論理ミスによって、本来よりも利益が多く(あるいは少なく)計算されてしまう可能性があります。
また、仮想通貨取引では、同一日に複数の売買を行った場合に「移動平均法や総平均法」を正しく適用する必要があります。これを誤ると、確定申告時に正確な課税額を算出できず、税務署からの指摘対象になるリスクも。
Excelで税金計算を行う場合は、必ず「取引履歴の記録精度と計算ロジックの正確性」を意識し、ダブルチェックやテンプレートの活用でミスを防ぐ工夫が必要です。
こうしたミスを防ぐためには、損益計算ツールを活用するのも一つの方法です。
特に、CSVをアップロードするだけで自動で損益を計算してくれるクリプタクトは、初心者にもやさしくおすすめです。

さらに、すべてをプロに任せてしまいたい方には、クリプト税理士のような仮想通貨に強い専門家へ依頼する方法もあります。

Excelで仮想通貨の税金計算を始める手順
必要な取引データを集めよう
まず最初に行うべきは、すべての仮想通貨取引履歴を集めることです。
税金計算を正確に行うには、1年間の「取得」「売却」「交換」「使用」など、課税対象になりうるすべての取引をリストアップする必要があります。
主なデータの取得元は以下の通りです:
- 仮想通貨取引所(例:コインチェック、bitbank、Binanceなど)
- ウォレット(メタマスク等)
- ステーキング・レンディングなどの報酬履歴
- NFT取引がある場合はその記録
ほとんどの国内外取引所では、CSVファイルでの取引履歴ダウンロード機能が用意されています。期間指定で「2025年1月1日〜12月31日」の履歴を取得し、Excelへインポートできるよう準備しましょう。
Excelに入力する基本構造と項目
Excelシートに入力する際は、取引を整理しやすくするために、以下のような基本項目を列として設定するのが一般的です。
A列:日付 | B列:取引種別 | C列:通貨名 | D列:数量 | E列:価格(円) | F列:取得金額 | G列:売却金額 | H列:差額(損益) |
---|
具体的には、
- 「取引種別」には「購入」「売却」「送金」「スワップ」など
- 「価格」には1通貨あたりのレート(日本円換算)
- 「取得金額」や「売却金額」は数量×価格
- 「損益」は売却金額 − 取得金額
といった形式で入力します。関数を使えば、自動で損益を計算できるようになるため、フォーマット設計の段階で整理しておくことが重要です。
また、損益の合計を出すためのSUMIFやIF関数の準備も、この段階で計画しておくと後がラクになります。
テンプレートの使い方と自作のポイント
損益計算テンプレートの構成解説
仮想通貨の損益をExcelで管理するためのテンプレートは、「取引記録シート」と「損益集計シート」の2つを基本に構成すると便利です。
取引記録シートでは、1件ごとの取引を時系列で記録します。ここには以下のような列を用意します。
- 日付
- 通貨名(BTC、ETHなど)
- 取引種別(購入、売却、交換など)
- 数量
- 1単位あたりの価格(円換算)
- 合計取得金額 or 合計売却金額
- 手数料(ある場合)
一方、損益集計シートでは、通貨ごと・月ごとの利益をまとめます。これにより、「〇月にいくら利益が出たか」や「この通貨の年間トータル損益はいくらか」といった情報を一目で確認できます。
この2つのシートを連動させることで、手間なく損益計算が可能になります。記事でテンプレートを無料配布する場合も、この構成にしておくとダウンロード後すぐに活用しやすいです。
関数(SUMIF・IF・VLOOKUPなど)の使い方例
Excelの魅力は、関数を使って計算や分類が自動化できることです。仮想通貨の税金計算では、以下のような関数を使うと作業がスムーズになります。
=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)
→ 通貨ごとの損益合計を出すときに便利(例:BTCだけの利益合計)=IF(条件, 真の場合, 偽の場合)
→ 特定の条件を満たした取引のみ抽出したいとき(例:売却のみ表示)=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索方法)
→ 通貨のレートや取得価格を別シートから引っ張ってくる時に活躍
たとえば「売却時に自動で差額(利益)を出したい」ときは、IF関数を使って「売却なら損益を計算、そうでなければ空欄」といった条件分岐も可能です。
こうした関数をテンプレートにあらかじめ組み込んでおくことで、手入力ミスの防止にもつながります。関数=面倒なものと感じがちですが、一度覚えれば計算効率が格段に上がるので、ぜひ積極的に活用してみましょう。
確定申告に使える形に整えるには?
年間取引報告書の形式にまとめる
Excelで仮想通貨の税金計算を行ったら、次のステップは確定申告に使える形へと整えることです。特に重要なのが、年間の取引結果を「年間損益計算書(年間取引報告書)」としてまとめることです。
この報告書には、以下の情報を整理して記載するとよいでしょう:
- 年度(例:2025年1月1日~12月31日)
- 通貨ごとの取得金額・売却金額・損益額の合計
- 経費として計上した手数料の合計
- 最終的な雑所得額
Excelでは、各通貨・各月の集計をピボットテーブルやSUMIF関数でまとめた上で、別シートに年度単位の「提出用サマリー」を作成します。あくまで参考資料ではありますが、税務署への提出や税理士への相談時に非常に役立ちます。
税務署に提出するためのポイント
仮想通貨取引で発生した利益は、確定申告書B様式+雑所得の内訳書に記載して提出します。Excelで損益を計算した内容は、この雑所得欄に反映するための“裏付け資料”として活用します。
提出そのものはExcelファイルではなく、印刷してPDFにまとめるか、紙媒体として保管する形が一般的です。なお、税務署に提出を求められるケースに備えて、以下の点を押さえておくと安心です:
- 取引所名・取引日・通貨・数量・価格が明記されていること
- 合計損益と内訳が一致していること
- 必要経費(手数料など)を明示できること
- 仮想通貨の交換取引・利用(買い物)履歴も含まれていること
提出義務はない場合でも、「聞かれたら出せる」ようにしておくことが重要です。Excelで作った取引記録と損益計算書をPDF形式に変換して保存しておけば、税務調査や問い合わせが来た際にも安心して対応できます。
FAQ(よくある質問)
Q1. Excelでの計算は信頼性がある?
A. 基本的な損益計算や取引履歴の管理であれば、Excelでも十分に正確な結果を得ることが可能です。関数やテンプレートを活用することで、ミスを減らしながら継続的な管理ができます。ただし、取引件数が非常に多い方や海外取引所・DeFi・NFTなど複雑な資産を扱う場合は、手動管理では抜け漏れのリスクもあるため注意が必要です。最終的には、計算結果と確定申告書の整合性が重要になりますので、作成後に第三者チェックを受けることを推奨します。
Q2. 手動よりツールを使うべき?
A. ケースバイケースですが、取引件数が少なくシンプルな売買のみの場合はExcelでも十分対応可能です。一方、複数の取引所を利用していたり、年をまたいで取引が発生している場合は、仮想通貨専用の自動計算ツール(例:クリプタクト、Gtaxなど)を使うほうが効率的かつ正確です。ツールは有料なものが多いですが、時間と手間の削減・ミス防止を考えれば十分コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
Q3. 税理士とエクセル併用は可能?
A. もちろん可能です。むしろ、Excelで整理された取引履歴を持参すれば、税理士とのやり取りがスムーズになり、報酬も抑えられる傾向にあります。税理士側も、必要な情報がすでに整理されていれば、申告書作成の効率が上がるため歓迎されるケースが多いです。また、仮想通貨に強い税理士を選ぶことで、節税や計上可能な経費の提案なども期待できます。
Excel管理+税理士連携は、コストと安心感を両立させたい人におすすめの選択肢です。
もっと簡単に仮想通貨の損益を管理したい方は「クリプタクト」で損益計算を自動化しよう!まずは無料でOK

仮想通貨の税金計算にExcelを使うのも便利ですが、「取引件数が多い」「正確に申告したい」という方は、専用ツールを活用するのが効率的です。
おすすめなのが、仮想通貨の自動損益計算ツール『クリプタクト(Cryptact)』。
CSVをアップロードするだけで、年間の損益や確定申告書用の帳票を自動で計算・作成してくれます。
✅ クリプタクトの無料プランでできること
- 年間50件までの取引について無料で損益計算が可能
- 国内外50以上の取引所に対応(Binance・bitbank・コインチェックなど)
- NFTやDeFiの自動識別機能もあり(一部プラン対象)
- 国税庁形式に準拠した帳票の出力も可能
💡 取引が多い方には有料プランも充実
プラン名 | 年額(税込) | 計算対象件数 | 特徴 |
---|---|---|---|
Basic | ¥6,600 | 300件まで | 初心者向け/サポートあり |
Prime | ¥22,000 | 2,000件まで | 自動更新・大容量ファイル対応 |
Pro | ¥38,500〜 | 10,000件〜無制限 | 法人/大量取引向け |
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まとめと今後の選択肢
仮想通貨の税金計算は、「難しそう」「面倒そう」というイメージを持たれがちですが、Excelを使えば無料で柔軟に管理・計算が可能です。
取引履歴を正しく記録し、関数で損益を自動集計できるようにすれば、確定申告の準備もぐっとラクになります。
特に、少額の取引や限られた取引所のみを使っている方には、Excelによる税金計算は十分実用的です。一方で、取引件数が多い、DeFiやNFTなど複雑な資産を扱う、海外取引所を使っているといった場合は、ツールや税理士との併用も視野に入れると安心です。
本記事で紹介した内容をもとに、自分専用の損益管理テンプレートを構築しておくと、翌年以降も効率的に記録を残せるようになります。さらに、信頼できる仮想通貨専門の税理士と連携すれば、節税のアドバイスや税務署対応のサポートまで得られる可能性もあります。
✅ 今後のアクション例:
- 記事内のExcelテンプレートを活用し、自分の取引履歴を入力してみる
- ツールとの比較を検討したい場合は、無料プランを提供している「クリプタクト」などを試す
- 面倒な申告作業をプロに任せたい方は、「クリプト税理士」などへの相談もおすすめです
仮想通貨取引を続けるうえで、税金の管理は避けて通れません。Excelによる自力計算は、節約志向の強い方や数字に強い方にとって非常に有効な手段です。ぜひこの記事を参考に、早めに準備を進めてみてください。

