FutureBitがハエの脳を模した採掘実験「HashFly」を公開
ビトちゃんハエの脳でビットコインを掘るって、どういうこと!?虫が働いてるの?



本物の虫じゃないんだ。ハエの脳の配線図をコンピューター上で再現して、その信号で計算させる実験なのさ



へー、そうなんだ!じゃあ実際にビットコインが採れちゃうの?



それが、普通のパソコンで動くお遊び版だから、本業のマシンには全然かなわないんだよ
マイニング機器メーカーのFutureBit(フューチャービット)は2026年9月13日、ハエの脳を模した実験的なマイニングデモ「HashFly」をX上で公開しました。
使われているのは、オスのショウジョウバエの脳と中枢神経の配線図データ「MaleCNS v1.0」です。そのうち2,914本の神経経路の活動をブラウザ上で再現し、ビットコインの計算方式であるSHA-256(取引データを暗号化する計算)を簡略化して動かします。
ただし動いているのは普通のパソコンで、性能は本物の採掘機に遠く及びません。同社の5インチ機「Apollo III」が毎秒18テラハッシュを出すのに対し、HashFlyは難易度を大幅に下げた条件でしか回りません。
それでも同社は、仮にこれを生きた神経細胞で実現できれば1テラハッシュあたり約1ワット、最新の3ナノメートルASICの約10倍の電力効率になると試算しています。あくまでハエ1匹の消費電力から逆算した仮定の数字で、実機が存在するわけではありません。
なぜ注目されるのか|1ワット1テラハッシュが意味すること
この実験が話題になったのは、FutureBitが示した1テラハッシュあたり約1ワットという数字が、現在の採掘機の常識を大きく外れているからです。
テラハッシュとは毎秒1兆回の計算を試す速さの単位で、マイニングはこの試行回数をどれだけ少ない電力でこなせるかを競う世界です。
同社の「Apollo III」は毎秒18テラハッシュを出しますが、消費電力が大きくなるほど電気代が利益を削ります。仮に生きた神経細胞で1ワット1テラハッシュが成立すれば、最新の3ナノメートルASICの約10倍の電力効率になるという計算です。
ただしこの試算は、ショウジョウバエ1匹分の消費電力を「全神経細胞が休みなく採掘し続ける」と仮定して割り戻したものにすぎません。生体の神経細胞をそのまま計算装置として並べる技術は存在せず、実現時期の見通しも示されていません。
それでも注目されるのは、シリコンの微細化が限界に近づくなかで、省電力の突破口を半導体の外側に探す動きが出てきたという点です。数字の大きさより、発想の方向が変わり始めたことに意味があります。
今後の見通しと、投資家が見ておくべき注目点
今後の焦点は、FutureBitが予告した「MaleCNS v1.0の全神経細胞をSHA-256で再現する」という次の段階と、その結果の公表です。
同社はX上で研究成果を発表する方針を示しており、2,914本の経路にとどまっている現在のデモがどこまで拡張されるかが一つの目安になります。
関連する別プロジェクト「FlyMiner」では、13万9,255個の神経細胞と1,680万本の接続を写した地図を使い、運動を司る神経の信号が一定の水準を超えたときだけ通常の採掘プログラムを動かす仕組みが採られています。試行速度は毎秒最大70万回で、ソロマイニングプール「CKPool」から受け取った問題を解かせる構成です。生体の構造を計算そのものではなく「スイッチ」として使う点が、HashFlyとは異なる方向性といえます。
こうした変わり種の採掘実験には前例があり、2021年3月にはITセキュリティ研究者が1989年発売のゲームボーイを改造し、毎秒約0.8ハッシュという速度で採掘させています。2023年6月にはブルックリンの浴場が、採掘機器の排熱を浴槽の加温に回していると明らかにしました。
投資家として見ておきたいのは、こうした実験が短期の相場材料にはなりにくい一方で、採掘の電力効率をどう下げるかという競争軸が半導体の外側にも広がり始めている点です。実用化の時期は示されておらず、現時点では研究段階の話題として距離を置いて眺めるのが妥当でしょう。
よくある質問
Q1. HashFlyを使えば自分でもビットコインを掘れますか?
結論から言えば、収益を狙える道具ではありません。HashFlyはブラウザ上で動く実験デモで、利用者が難易度の設定を自分で変えられる仕組みになっています。
つまり本物のビットコインネットワークの難易度とは別条件で回しているため、掘り当てて報酬を得ることは想定されていません。FutureBit(フューチャービット)自身も、一般的なパソコンで動く仕組みだと説明しています。
Q2. 本当に生きた神経細胞でマイニングできるようになるの?
現時点では、その段階に進む具体的な計画は公表されていません。フューチャービットが次に示すとしているのは、MaleCNS v1.0のデータをSHA-256で再現する範囲を広げることと、その結果の公表までです。
生きた神経細胞を使った実機は存在せず、実現時期も示されていません。「10倍の電力効率」はあくまで計算上の仮定であり、製品化のロードマップとは別物として受け止めるのが安全です。
Q3. この発表でビットコインの価格は動きますか?
この手の実験が短期の相場を動かした例は確認されていません。2021年3月のゲームボーイ改造マイナー(毎秒約0.8ハッシュ)も、話題性の割に価格材料にはなりませんでした。
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まとめ



結局、ハエの脳マイニングって「今すぐ儲かる話」じゃなかったんだね!



そうそう、ポイントは3つだね。①HashFlyは2,914本の神経経路を再現したブラウザ実験、②生体神経なら1テラハッシュ1ワットというのはあくまで仮定の試算、③FlyMinerは神経信号をスイッチ役に使う別路線、ってところさ



じゃあ私が今できることは、慌てて何かするより情報をゆっくり追うことなんだね



その通りだよ。研究段階の話題は数字より「どっちの方向に進んでいるか」を見ておけば十分なんだ



わかった!じゃあ私は電気代がタダになる日を待ちながら、お昼寝して待っとくね
FutureBit(フューチャービット)が2026年9月13日に公開した「HashFly」は、収益を狙う道具ではなく発想を示すデモという位置づけです。
実機の採掘性能で比べれば、同社の「Apollo III」が毎秒18テラハッシュを出すのに対し、ブラウザ上の実験は比較の土俵にすら上がりません。
それでも読み取れるのは、電力効率の競争がシリコンの微細化だけでは語れなくなりつつあるという流れです。ゲームボーイ改造機の毎秒約0.8ハッシュのような一発ネタとは、狙っている論点が少し違います。
個人投資家として押さえておきたいのは、この話が明日の値動きを左右するものではない一方、採掘コストの構造は長期で価格の下支え要因に関わるという点です。
今回の実験は、マイニングの省電力化という長期テーマに新しい選択肢が加わり得ることを示す一例です。実用化の見通しは示されていないため、続報を待ちながら落ち着いて眺めるのが賢明でしょう。












